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キル・ビル Vol.1のポスターの画像です。 キル・ビル Vol.1のポスターの画像です。

ここから後編です。

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『キル・ビル&タランティーノ・ムービー インサイダー』によると、沖縄から東京へ向かって飛行機が飛んでるシーンの書き割りは『吸血ゴケミドロ』、空から見下ろす東京のミニチュア・セットは『サンダ対ガイラ』を参考に作ったとか。つくづく素敵な奴ですね、タラちゃんって(笑) 飛行機の座席に日本刀ホルダーが付いてるのも気が利いてますし(って、そーゆー問題か? ^^;)

それはさておき、東京のミニチュア・セットはよくできてます。スケールがわからないんでアレなんですけど、東宝に貸してあげてほしいぐらいの出来映えだと思います。このセットはこのシーンだけにしか使われておらず、まァ普通でしたら実景で処理できるところですわ。ところがタラちゃんは、「ここはホンマの東京とちゃうねん。ワイの頭の中にある東京やねん。ここで実景つこたらホンマの東京になってまうやんけ」と考え、わざわざ手間暇かけて、ミニチュアでパチモンの東京を作らせたそうです。やっぱり素敵な奴やわ、タラちゃんって(爆)

東京に降り立った”ザ・ブライド”が目指すのは、オーレン一味がタムロする、料亭なのかレストランなのか、ようわからん青葉屋というお店。店内の舞台では、”The 5,6,7,8’s”が演奏したりしてるので、ライブハウスかグランドキャバレーかも(笑)

ゴング代わりに、毒蛇暗殺団の女性弁護士ソフィ・ファタルの左腕を切り落として、”ザ・ブライド”とオーレン一味の戦いの火蓋は切って落とされました。お揃いのケイトー・マスクも決まってるオーレンの親衛隊”クレイジー88”(でも、マスクしてても田中要次はよくわかる)の精鋭を軽く料理して、お次に登場は「若さを残忍さでカバーしてる」って評判の凶悪女子高生ゴーゴー夕張。ブレザーで鉄球(空飛ぶギロチン!)振りまわす姿は、麻宮サキはもとより赤影と戦っても違和感ないかも(笑)

苦闘の末にゴーゴーを倒し、次はいよいよオーレンとの一騎打ちかと思いきや、”クレイジー88”の残り数十人が一挙に涌いてくる涌いてくる。オーレンの「ヤッチマイナ!」の号令と共に襲いかかる”クレイジー88”を次々となぎたおす”ザ・ブライド”。血が吹き上げ、手足が舞い散り、目玉は飛び出し、口は裂ける(『殺し屋1』からのイタダキ)、狂乱の地獄絵巻。とにかく凄いスゴイ凄すぎる! このシーン、あまりの凄絶さにアメリカでは血の色を黒く変えて公開したそうです。

黄色いトラックスーツ(!)に身を包んだユマ・サーマンは、とにかくカッコいい。ちょっと腰を引き気味に刀を構えるのがタマニキズですが(苦笑)

この青葉屋のシークエンスでは、”クレイジー88”たちに”チャーリー・ブラウン”と呼ばれて肴にされる番頭役の佐藤佐吉と、戦いの中を右往左往する女将役の風祭ゆきがイイ味出してます。その風祭さんが『キル・ビル&タランティーノ・ムービー インサイダー』のインタビューで、「青葉屋のシーンではタラちゃんが死体役でワンカット出てるんで探してね」って仰ってたんで注意深く観てたんですが、けっこう目立ってましたね、タラちゃん。見つけられなかった人の楽しみを奪っちゃ悪いので、どこに出てたのかは、ナ・イ・ショ(笑)

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最後は清順チックな様式美の座敷での殺陣で”クレイジー88”を壊滅させ、そしていよいよ本当にオーレンとの一騎打ち。襖をガバっと開けると、そこはもう任侠映画の世界。庭に降り積もる雪の上に立つ、白い着物のオーレン・イシイ。片やところどころ血がこびりついた黄色いトラックスーツの”ザ・ブライド”。

ここでの会話は何を血迷ったか、ほとんど日本語オンリー。これには困りました。先にも触れましたが、ルーシー・リューの日本語は聞き取りやすく、それはユマ・サーマンも同じです。でも、イントネーションとかがやっぱり変やし、なによりも、任侠映画のこーゆー場面でもっとも大事な、セリフにこもる情念が感じられないんですよね。日本人じゃないルーシーやユマ、それにタラちゃんにそこんとこをわかってくれよと言うのは、ちょっと酷でしょうが。観てる側からすれば、固唾を飲んで見守るシーンなのか、変な日本語に笑うシーンなのか、判断つきかねてどう対応していいのかわからず、オロオロしちゃいましたよ(苦笑)

言葉の問題と、ユマの引けた腰を除けば、このシーン、よく撮れてると思います。展開や間のとりかたが、まんま東映。よくここまで研究してるもんですなァ。

”ザ・ブライド”の最後の一太刀でオーレンはカッパにされて(^^;)、息絶えます。幼い頃から修羅の道を歩くことを強いられてきた哀しい女の最期を見送るように、静かに雪が舞い降り、そして梶芽衣子の『修羅の花』が流れます。なにかと不満もありましたが、わたしゃ、ここで泣きました。

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タラちゃんといえば音楽の使い方にも定評がありますが、この『キル・ビル』ではこれまで以上のヲタクぶりを発揮、場面場面に合わせた選曲で”通”を唸らせているらしいです。わたしは不勉強なもんで、一部のネタしかわからんかったんですが(汗) そんなわたしでも『修羅の花』は知ってました。この曲は梶さんが主演した『修羅雪姫』の主題歌で、その主人公(お雪)の生きざまは、オーレンや”ザ・ブライド”のソレとダブります。お雪もまた、非業の死を遂げた肉親の仇を討つため、修羅の道へと分け入ることになった女なのです。

オーレンの白い着物はモロお雪からのイタダキでしょうし、これで普通の刀じゃなくって仕込み傘を使っててくれたら完璧やったんやけどなァ(笑) タラちゃんは梶さんがお気に入りらしく、エンドロールでは『恨み節』まで流してくれます。『恨み節』は梶さんの名前を世間に知らしめた『女囚さそり』の主題歌で、これもやっぱり女の復讐譚なんですよね。

ところで、『キル・ビル』のサントラ盤には『修羅の花』だけ収録されて『恨み節』はハズされてるみたいなんですが、なんででしょうかねェ? ま、わたしはどちらも入ってる『銀幕ロック』ってCDを持ってるからかまわないんですが。ちなみにこの『銀幕ロック』、梶さんの歌がもう1曲(『怪談昇り竜』の主題歌『仁義子守唄』)入ってるし、他にも名(迷)曲ぞろいで、わたしの愛聴盤の1枚でもあります。じつは今もコレ書きながら聴いてたりしてるんですが(笑) 今はちょうど若山富三郎の『極道坊主』が流れてるところです(爆)

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オーレン一味を殲滅した”ザ・ブライド”は、ひとり残った弁護士のソフィから情報を引き出します。残ってた右腕も切り落とされ、土手の上からおっぽりだされる高品格……じゃなくって、ソフィ(麻雀放浪記かい!)。彼女は、自分が”ザ・ブライド”に喋った情報をビルに伝えさせるため、あえて殺されずにいたのです。

”ザ・ブライド”はアメリカへ向かう飛行機の中で、復讐リストを作ります。1番はオーレン・イシイ、2番はヴァニータ・グリーン…… 対ヴァニータ戦の後で”ザ・ブライド”が見ていたメモはコレだったのですね。つまり、ここでお話は対ヴァニータ戦へと繋がるわけです。復讐リストの一番最後(つまり5番目)には、当然ビルの名が。

そのビルは傷ついたソフィの顔を撫でながら、「お前は何を喋ったねん」と優しく尋ねます。「あいつはXXXのことも知ってるんか?」

ここはあえて伏せ字にしましたが、このセリフのあと、エンドロールがせり上がってきます。最初に「ヒキョーなオープニングで幕を開ける」と書きましたが、最後もまたヒキョーです。だって、このセリフ聴いたらVol.2を観ないわけにはいかんやん。そんなヒキョーきわまりない終わり方だったと思います(爆)

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Vol.2は来年4月公開予定。半年も先のことやから忘れちゃいけないんで、わたしなりのVol.2チェックポイントを最後にリストアップしときます。

  • 結婚式の襲撃シーンを見せてくれるのか?(実現度高し)
  • その際、サミュエル・L・ジャクソンは説教垂れるのか?(実現してほしくない)
  • ニッキーは再登場するのか?(実現度低し)
  • エル・ドライバーとの対決シーンは本当にモノスゴイのか?(期待度高し)
  • ソフィはダルマ女として都市伝説化するのか?(期待度高し)
  • ”ザ・ブライド”の本名は明かされるのか?(実現度中ぐらい)
  • 最後のビルのセリフのXXXはXXするのか?(実現度すごく高し)
  • Vol.2で完結するのか?(するやろ……たぶん)

しかし、Vol.2公開直前になって「まだ長すぎるんで、コレもふたつに分けました」なんてことはないやろな、タラちゃんよ(笑)

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