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以下のテキストには”ネタバレ”を含んでいます。閲覧にはご注意ください。

グアンタナモ、僕達が見た真実のポスターの画像です。

わたしは以前、『イン・ディス・ワールド』を”スゴロク・ムーヴィー”と呼びましたが、同じウィンターボトム監督のこの作品(原題は『The Road to Guantanamo』)もまた一種の”スゴロク・ムーヴィー”です。けど、同じスゴロクでも中身はだいぶ異なります。『イン・ディス・ワールド』の少年は自分の意志でサイコロを振り”上がり”を目指しますが、こちらでサイコロを振るのは米軍で、主人公たちは自らの意思とは関係なく米軍基地を引っぱりまわされることになります。タイトルのグアンタナモとは、彼らが最後に行きつくことになるキューバ国内にある米軍基地のことです。

スゴロクのコマとして扱われるのはパキスタン系イギリス人の若者たち。彼らはタリバンと間違われ、2年以上も米軍に拘束されます。

  • 「お前、アルカイダやろ?」
  • 「ちゃう」
  • 「ビンラディンはどこにおんねん?」
  • 「知らん」
  • 「このビデオに映ってるのん、お前やろが!?」
  • 「そやから、違うって!」

こんな尋問が何度も何度も繰り返されます。もちろん、尋問には殴る蹴るがもれなく付いてくるお徳用であることは言うまでもありません。それ以外にも、朝になく夜になく、彼らは拷問を受けつづけます。それは「わたしはアルカイダです」って言葉を吐かせられるまで続きます。この映画は、米軍の手によってテロリストが造られる過程を描いた映画でもあるわけです。

主人公たちが捕らえられまでの過程、基地内での様子は、ドキュメンタリー風というより再現フィルム風に描かれます。このへんも『イン・ディス・ワールド』ぽいところ。その再現フィルムの合間には、主人公たちのモデルのインタビューが挟みこまれます(このインタビュー部分は、協同監督としてクレジットされているマット・ホワイトクロスが担当してるようです)。

このように、再現フィルム風の映像とインタビュー映像が相まって、観る者に「これは実話を元にした映画なんや」ってことを再認識させることになるんですね。このあたり、一歩まちがうとプロパガンダ臭プンプンの嫌らしい映画になっちゃうんでしょうけど(マイケル某の映画のような)、そうさせないところが、どんなジャンルの映画でも独特のスタイリッシュさを貫いてきたウィンターボトムの真骨頂なのです。そして、それこそが、わたしがウィンターボトム作品に心を惹きつけられる最大の理由でもあるのです。

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