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みやこの春一番2004〜ペーソス篇

3日は1時間半も遅刻したので、同じ失敗は二度と繰り返すまいぞ、と胸に固く誓ってたんですが…… え〜っと……この日も寝過ごしちゃったい(笑) まったくもう、失敗を次への教訓として活かせないんやから困ったモンです。 って、人ごとみたいに言うてますが(苦笑)

でも、3日ほどひどかったわけじゃなく、なんとか30分ほど遅れただけで会場に到着。しかし、その30分の間に、砂川正和さんや加川良さんが出てたっちゅーんやから、いやはや、です。砂川さんはまったく見られず、さんも聴けたのは最後の『教訓I』だけでした。ああ、残念。しかしなァ、こんな早い時間から砂川加川良出すか、フツー? などと、寝過ごした自分のことは棚に上げまくってブツブツ文句のみやこちゃんなのでした(おいおい)

昨日の大雨から一転して、今日はめっちゃええ天気。下が濡れてたらアレなのでシート代わりにバスタオルを持っていったけど、もうすっかり乾いてて必要なかったですね(その代わりこのバスタオルは、日焼け防止のフード代わりに活躍してくれました)。

最終日で、他の日に比べて出演者の数も若干少ないこともあってか、どことなくユッタリ感が漂う(気がする)客席には、出番を終えたミュージシャンの方々のお姿もチラリホラリ。一般のお客さんたちと同じように、ビール飲んだりお弁当食べたりして、くつろいでおられます。あ、お弁当といえば、この日はオカンが家に来なかったので、おにぎりはコンビニで買ったのを持ってきました。って、おにぎりぐらい自分で作れよ、って話ですけどね(笑)

3日と同じくステージ前に陣取って、ビール飲みつつ(おにぎりもパクつきつつ)春一番。まずは、ふちがみとふなと。その名の通り、渕上純子さんと船戸博史さんのユニットです。ピアニカとウッドベースだけの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』を聴けるとは思ってもいませんでした(笑)

続いて、ロッキンイチロー&ブギウギ・スウィング・ボーイズ。こっちも名前の通り、イチローさん率いるR&Rバンド。ベースの曲弾きもさることながら、ギターもなかなか面白いプレイ見せてくれはりました。

そして、名前通りシリーズ3連発目の、FUJIMASA藤井裕さんと正木五郎さんという、大阪が生んだ日本最高のリズム隊によるユニット。今回は、スマイリー原島さん、伊東ミキオさん、ウルフルケイスケさんって布陣。ステージの脇で、あの森センセまでが身体を揺らしてたりする程のもうノリノリの演奏。でも、それ以上にノってたんが、ステージ前に飛び出してきて踊りはじめたおっちゃんでした。ニコニコ笑いながら踊るおっちゃん、ホンマ楽しそうやったわ。そのおっちゃんに釣られるように、それまで端の方で身体を揺らしてた若い子たちもステージ前に集まってきたりして。このおっちゃん、この後も何度か踊りに出てきてはったけど、タイミングがけっこう絶妙で、盛り上げ役としてMVP級の大活躍。その活躍ぶりに祝福のキスを捧げようと思ったけど、それはガマンしました。そやかて、踊り疲れたところにわたしのキス受けて、心臓発作とか起こされちゃ申しわけないしね(笑)

次は、阿部さんが「今年の秋ぐらいにブレイクすると思うから、春一番へはもう出てもらわれへんかも」って紹介してはった野狐禅。アコギとキーボードの二人組フォーク・ユニットで、曲の感じは、あとで出てくる友部正人さんか初期の吉田拓郎さんっぽかったです。

続いてステージに上がったのは、アチャマゴさん。アチャコ先生のお孫さんなので、アチャマゴさん。独特のLove & Peace な世界を持ってはる方で、なんか毛がいっぱい生えたけったいな衣装着てはりました。思わず、「卍党の猩猩左近か!」と心の中でツッコミ100回(笑) バックには、AZUMIさんや、朝一で見逃してた砂川さんもパーカッションで参加されてたんで、かなり嬉しかったです。

次のバンドのセット替えのとき、背後から「みやこちゃ〜ん」ってお声が掛かったので振り向くと、客席最前列に先日、阿部野→新世界→炭谷町とグルグル巻きしていただいた”たろたみ&オールスターズ”の面々がおもろい顔並べて座ってはる。挨拶しにいこうと思ったけど、阿部さんが次のセットのメンバー紹介はじめたので、ソレは後回しに。だって、その面子が凄いんですもの。

伊藤銀次さん、上原”ゆかり”裕さんに清水興さん(伊良部のユニフォーム着用)。これだけでも凄いのに、ピアノは矢野誠さんですよ! そのうえ、ヴォーカルは、生で見るのは初めての「伝説のブルース・シンガー」(by 阿部さん)布谷文夫さん!! わたしらの世代で布谷さんといえば『ナイアガラ音頭』ですが、さすがにソレは演らなかったものの、『台風13号』『夏バテ』といった超名曲を目の前で聴くことができて、めっちゃ感激。思わずスタンディング・オベーションしちゃったりしたのでした。

スタ・オベで立ち上がったついでに、たろたみ軍団にご挨拶。わずか数日で1メートルほど伸びた髪の毛に驚天動地の反応を示していただき、嬉しゅうございました。単にウィッグ替えただけなんやけど(笑)

そうこうしてるうちに、次の方々がステージに。中年男の悲哀を感情たっぷりに歌いあげる、ムード歌謡(?)デュオ、ペーソス。いや、もう、笑た、笑た。布谷さんたちの感激の余韻を木っ端微塵に粉砕してくれました(笑) ヴォーカルの島本慶さんは、見た目と歌の内容から、一瞬なぎら健壱さんかと思いました。帰宅してからネットで速攻調べたら、本業は風俗ライターなんだそうです。相方の岩田次男さん(ギター)は、我が国のプロ野球で初めて満塁ホームランを打った名古屋軍の選手……なわけないやろ!(←ひとりツッコミ) この人も風俗雑誌に関わっておられる方のようです(デザイナー?)。それと、もうひとり、スマイリー井原さんって方が司会として帯同されていましたが、この人もやっぱり風俗雑誌関係の人なのでしょーか?

んで、お次が大西ユカリと新世界ペーソスの演奏中に夢ミノルさんがドラムのセッティングに向かっていたのが目に入っていたせいもあって、ペーソスのセットが終わるやいなやステージ前はアっという間にスシ詰め状態。その中核をなすのは、モチロンたろたみ軍団。『プカプカ』で始まり『ラッキー・オールド・サン』で締める春一番に相応しい構成。じつは、『プカプカ』は最後に演るもんやと勝手に思いこんでたんで、完全に虚を突かれた感じ。嬉しい誤算に他の人よりちょっと儲けた気分になりました。あ、ちなみにユカリ姐さん、この日の出で立ちはボンボン・アフロにアポロシアターちっくなホットパンツ。艶めかしゅうございました。

新世界のセットが終わると、ステージ前はササーっと波が引いたが如く静かに。ここで登場は、そんなノンビリ・ムードにピッタリな友部正人さん。この人も昔からちーーーーっとも変わりませんなァ。サポートするのは、武川”くじら”雅寛さんとロケット・マツさん。ほとんどの曲はまだ発売前の新譜からでしたが、『チルチル、ミチル』といった懐かしい曲も聴けました。5月の陽射しにタンポポの綿毛が舞い落ちる中、友部正人にたゆたえるなんて、ああ、し・あ・わ・せ。

沢知恵さんの『風に吹かれて』を挟んで、矢野絢子さん。3日のレポートでも書きましたが、春一番の楽しみは、いろんなミュージシャンをまとめて観ることができること、そして、アっと驚く未見の逸材に出逢えることです。今年の春一番は、3日に藤島晃一さん、この日はペーソスを知ることができて、既に大満足な状態だったんですが、それよりももっと大きな衝撃が待っていようとは…… これもまた、大きな(大きすぎる)誤算でした。

「明るいところで歌うのは苦手です」

「大勢の人の前で歌うのも苦手です」

「音楽のお祭りで歌うのも苦手です」

こう言って、ホンマに苦痛そうに歌うんやから大したモンです(笑) 逆にその言葉は、聴衆の大部分を占める関西人の琴線にも、(いい具合に)触れたようです。正直言って、一度聴いただけなので、歌詞もメロディも覚えてません。しかし、ピアノを弾き語る彼女の姿は、瞼の裏に思いっきり焼きついてます。近ごろは歳のせいか、見たこと聞いたこと片っ端から忘れちゃう困ったわたしですが、この春一番での矢野絢子さんのステージだけは、絶対に忘れることはないでしょう。

ここで聴こえてきたのは、落語の出囃子。桂喜丸師匠の出番です。とは言っても、喜丸さんはもう高座を努めることができませんので、川柳仲間のくんじろうさんがステージに上がり、喜丸さん作の川柳を詠み上げてくださいました(くんじろうさんは3日の坂田明さんのセットのとき、一緒に踊ろうと声を掛けてくださった方でした)。春一番へ出ることについては、「音楽を聴きに来たお客さんたちの前で落語して、白けさせたるねん」と闘志満々やったとか。ネタは何を用意してらっしゃったんかなァ。残念ながら落語は聞けませんでしたが、その代わり川柳で笑わせていただき、僭越ながらステージ上のお写真に向かって「きまやん!」と声も掛けさせてもらいました。この時間を設けてくださったスタッフの方々に感謝! この場を湿っぽくすることもなく喜丸さんの代役を務められたくんじろうさんにも感謝! そして、最後までわたしたちを楽しませてくださった喜丸さんに感謝! 感謝!!

臨終の瞼の裏にカブト虫

喜丸さんの最後の作品)

さて、続いてステージに上がらはったのは、山下洋輔さん。洋輔さんは前に一度、筒井康隆氏主催の映画イベントでお見かけしてサインをいただいたことがあるんですが、演奏を見るのはじつは初めてやったり。いや、もう、感激しました。最後には『グガン』で、あの伝説の肘打ちも見られたりして、いや、もう、ホンマ大感激!!

ここでちょっと小腹が空いたので、たこ焼きを買いに会場外へ。朝からコンビニのミニおにぎり3個入り食べただけやったからね。3日みたいに遠くまで買いに行ったわけじゃなく、入場口のすぐ前に出てた屋台で。たこ焼き屋のおっちゃん、ラジオで野球聴いてたんで、「阪神、勝ってる?」と訊ねると、「今、5点差追いついたとこや」。で、「ねーちゃんも阪神ファンか? そんなら」と、たこ焼きを1個オマケしてくれました。ええおっちゃんや(わたしを”ねーちゃん”と呼んでくれたことも含めてね♪)。帰宅してから知ったんですが、タイガースはいったん追いついたモノの、結局サヨナラ負け喰らったようで、そんときにたこ焼き買うててもオマケしてくれてやろか? 逆に1個か2個、ごまかされてたりしてね(笑)

たこ焼きとビールを持って会場に戻ると、MOJO-CLUBのセットが始まってました。ステージ前は既にホットな状態だったので、客席でたこ焼きつつきながら鑑賞。三宅伸治さんは相変わらずノリノリやし、谷崎浩章さんも杉山章ニ丸さんも楽しそうに合わしてはる。そのうち三宅さんがギター弾きながらステージから降りてきて、客席にまで乱入。しまった、こーゆーことがあるんやったらステージ前に居ったらよかったと、たこ焼き頬ばりながら残念がるわたしなのでした。

ステージ前に戻って、中川イサトさんを。まずは懐かしや、『OPUS-1310』。この曲が入った『1310』ってアルバムは、当時のフォーク少女(おい!)たちにとってバイブルのようなモノでした。これを完コピできたら一人前って言われてたんですよね。

そのあと、アコギによるセッション大会に突入。最初に登場は飛田一男さん。80年代の前半頃は学祭巡りをよくやってたんですが、なんかどこの大学行っても、めんたんぴんと憂歌団が出てたような記憶があります。そやから、そのめんたんぴんでギター弾いてた飛田さんは何回も目にしたわけですが、ソロで見るのはこれが初めて(あ、今回もイサトさんと一緒やから、ソロってわけじゃないねんけどね)。お二人で1曲やったあと、出番を終えたばかりの三宅伸治さん、3日に出てた石田長生さんを加えた4人で、『ウェイト』。3日のラリーパパ&カーネギーママ伊藤銀次さんの『オールド・ディキシー・ダウン』といい、やっぱりこの辺のミュージシャンの方々には人気あるねんなァ、ザ・バンド。

飛田さん、三宅さん、石やんは引っ込んで、入れ替わりに出てきたんが押尾コータロー君。お師匠の前で行儀正しくチョコンと座ってるコータロー君、かわいすぎるぞ♪ 二人で『ちょっとトロピカル』演ったあと、コータロー君のソロが3曲(2曲やったかも)。顔はかわいいけど、ギターはやっぱり天才やわ。最後は再び師弟タッグで、名曲『その気になれば』。ここではコータロー君のコーラスも聴けました。こんな風に、ここでしか聴けない取り合わせが見られるのも春一番の素敵なとこですね、うんうん。

ラス前はZOUND SYSTEM。なにしろ、阿部さんをして「ホンマ、怖いおっさんらやで」と言わしめるほどですから、その怖さたるや半端じゃないのでしょう(笑) 「このオッサンらと付き合うてきて、何回死にかけたことか」。でも、サウンドはぜ〜んぜん怖くなく(当たり前ですが)、ゆったりしたレゲエのリズムに乗っかって、最後のダンス・タイム。

そして大ラス。木村充揮さんが山下洋輔さんのピアノをバックに『ケセラ』を歌いあげて、この日(ってゆーか今年)の春一番は終わったのでした。

9時前まで目一杯やってた3日(1日、2日もソレぐらいまでやったようです)に比べたらずっと早く、6時頃に、しかも木村さんは1曲だけだったので、なんか呆気ないラストのような気もしましたが、次の日からの仕事のことを考えたらちょうど良かったかも。スタッフの方々はこれから後かたづけもしなきゃなんないわけやしね。そのスタッフの皆様方や、楽しませてくれた出演者の皆様方に感謝の気持ちを送りつつ、また、風太さんと阿部さんに「来年もやってやビーム」を照射しつつ、服部緑地野外音楽堂を後にしたのでした。

あ、そうそう、帰りがけに楽屋の中をチラっと覗くと、三宅伸治さんと目が合いました。思わず手を振ると向こうも手を振り返してくれたりして。最後の最後に、めっちゃ幸せな気分になれました。帰り道、頭の中で、

♪今度生まれてくる時は〜 できれば女に生まれたい〜

と、ペーソス『甘えたい』が鳴り響いてたのにはナンギしましたが(笑)

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