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以下のテキストには”ネタバレ”を含んでいます。閲覧にはご注意ください。

ロボコンのポスターの画像です。

1974年から77年にかけて放映された『がんばれ!ロボコン』。それをリメイクした1999年の『燃えろ!ロボコン』。この石森章太郎原作で東映が製作したテレビ番組と、映画『ロボコン』は……なんの関係もありません(笑) 映画で描かれる”ロボコン”とはロボットコンテストのことなんですよ。でも、宣伝とかほとんどやってなさそうだし、カン違いする人いますよね、絶対。……って、わたしなんですが(爆)

ネタでもなんでもなく、わたしはこの作品を『がんばれ!ロボコン』の映画版だと信じ切ってました。映画秘宝の掲示板で評判いいんで観にいったんですが、映画の中で初めて”ロボコン”って言葉が出てくるまで、そう思ってたんです。そんときになって、劇場に上がるエレベーターの前に貼られていたポスターにお馴染みのロボコンやロビンちゃんが写ってないことや、劇場内に子供の姿がほとんど見あたらないことに思い至り、ようやく間違いに気づいたのでした。「そういや、ロボットコンテストの映画が製作されるって、だいぶ前に耳にしたことあったなァ」ってことまで思いだしましたが、そんなのすっかり忘れてたし(汗)

しかし、ジョーダン抜きでわたしのようにカン違いしてる人は、けっこういると思います。東宝シンデレラが主演で、今じゃ数少ない自社製作映画の1本なんやから、東宝さんももっとちゃんと宣伝すりゃいいのに。上映館も大阪市内じゃナビオ1館だけって、あんまりやわ。しょーむない映画ならいざ知らず、良質な作品だけに残念です。

お話はいたってシンプル。超めんどくさがり屋だった主人公が落ちこぼれ集団に加わることにより、彼ら共々成長していくという、熱血青春スポ根モノの王道を行く内容です(”ロボコン”がスポーツかどうかはさておいて)。主人公がイヤイヤながら入らされる第2ロボット部の面々が、「統率力ゼロ」の部長を筆頭に、「協調性ゼロ」の部員、「忍耐力ゼロ」の幽霊部員というところが、まず王道。彼らのライバルたるエリート集団(第1ロボット部)が出てくるのも、また王道。海での合宿と、彼らをシゴくババァ(吉田日出子、最強!)の存在、これも王道。

そしてなによりも、主人公を演じる長澤まさみちゃんの明るさ、かわいさ、一所懸命さ、これこそ王道! やっぱり東宝シンデレラはこうでなくっちゃね。彼女が全国大会に向かう船上、ロボットに興味を持って近寄ってきた子供に言う「お姉ちゃんたちは戦いに行くんだよ」ってセリフ。それと、全国大会の前夜、ロボットの整備をしながら呟く「ずっと今日が続けばいいのに」ってセリフ。これらのセリフはベタベタにベタな、実際に口に出すと言った後で恥ずかしくって赤面すること間違いないセリフだと思うのですが、この映画の流れの中でまさみちゃんの口から出るとぜんぜん恥ずかしく感じない。それどころか、萌えるし、泣ける。こんなセリフを臆面もなく堂々と配するところが、コレまさしく青春映画の王道中の王道ナリ、なのです(あ、セリフはウロ覚えなので正確じゃないと思います、たぶん)。

この映画の見せ場はなんといってもロボットの対戦シーンですが、第2ロボット部の戦いぶりを予選、全国大会ともにキッチリ見せてくれるので、相手側のを含めたロボットの特性がよくわかり、ソレを見てるだけでも楽しいし、しまいにゃ第2ロボット部の落ちこぼれたちと一緒に戦ってるような気分にもなってきます。最後の大技が決まったとき、わたしは思わず「よっしゃ」と口走り、ガッツポーズを決めてました(マジで)。そのシーンでは劇場全体がかなりザワついたんで、たぶん他のお客さんたちも第2ロボット部の一員になった気持ちで画面に食らいついてたのではないでしょうか。

あと、気になったのが、映画の最初の方で、第1ロボット部の部長が部員の差し出したコーヒーをひとくち飲んで、「ぬるいよ」と怒るシークエンス。これって、『ウルトラセブン』で実相寺昭雄さんが監督した『第四惑星の悪夢』へのオマージュか? 『第四惑星の悪夢』はロボットが人間を支配する星が舞台で、そのロボットを率いる長官が召使いの人間が淹れたコーヒーを飲んで「ぬるい! 砂糖も多い!」と恫喝する(特撮ファンには)有名なシーンがあるんです。このシークエンスは、第1ロボット部のエリート性と部長の権威を示すために用意されたものだと思うんですが、ロボコンを題材にした映画によりによってロボット社会の恐怖を描いた作品からネタを持ってくるとは、恐るべし古厩智之! ……って、勝手にキメウチしてるけど、違ってたらゴメンナサイね(笑)

なんのために出てるのかわからない登場人物がいたり(保健の先生とか)、ところどころ穴もある作品ですが、ソレをさっ引いても良い映画だと思いました。「傑作」でも「名作」でもなく、あえて「佳作」と呼んでみたい、そんな映画です。

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