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以下のテキストには”ネタバレ”を含んでいます。閲覧にはご注意ください。

楽日

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映画館の切符売りの脚の悪いお姉ちゃんが桃饅頭ふかして、半分を映写技師んとこへ持っていって、館内を見まわって、雨の中を傘さして帰る。その一方で、日本人のホモの人が相手を求めて館内を徘徊する。客席では上映中の映画(キン・フーの『残酷ドラゴン/血斗竜門の宿』!)の出演者たちが涙ながらにその映画を観てる。……って、そんな映画。それだけの映画です。ドラマチックなイベントなど何ひとつおきません。何もおきないのに、80分間スクリーンから目が離せない。『愛情萬歳』の衝撃ありすぎた、あのラスト・シークエンスが80分つづくみたいな。そんな映画なのでした。蔡明亮、やっぱ凄いわ。

あ、ドラマチックなイベントがおきないって書いたけど、エンディング・クレジットで流れてた曲だけは(わたしにとっちゃ)めっちゃビッグ・イベントでした。どこかで聴いたことあるなァと思ったら、服部良一の『チャイナ・タンゴ』やん。昭和14年にリリースされた「作詞:藤浦洸、唄:中野忠晴」版がオリジナルやけど、この映画で使われていたのは「作詞:チェン・ディーイー、唄:ヤオ・リー」の中国語版で、タイトルは『留戀』。公式サイトのインタビューで蔡明亮は「ある年齢以上の人なら誰でも歌えるでしょう。作曲家は日本の服部良一という、50〜60年代の香港で有名だった映画音楽の作曲家です」と答えているので、服部先生が香港映画の音楽を多く手がけられていた頃に彼の地でヒットした曲のようですね。

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西瓜

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『楽日』がどことなく『愛情萬歳』から連なる映画だとしたら、こちらは明らかに『Hole』系。ちょっとSFチックな舞台設定とか。ところどころ挟み込まれる原色チックなミュージカル・シーンとか(しかも楽曲はオールデイズ)。コミカルな描写があったりするところとか。『楽日』ではまったく喋らなかったチェン・シャンチーとシャオカンが今回は(ちょっとだけやけど)セリフあり。けど、それよりも、ナース服でスイカ抱えて歩いてくるファースト・シーンから、本マグロ状態のラストに至るまで、夜桜すももがインパクトありすぎ(笑) 最後の最後に「記録的な水不足」って設定が死んじゃってるところだけがちょっと残念でした。そこでもう一ひねり欲しかったなァ。

あ、そうそう、映画を観てるときには気づかなかったんやけど、この映画でも『楽日』同様、服部良一先生の作品が使われていたようです。グレース・チャンの『同情心』って曲。服部先生が手がけられた香港映画の挿入歌だったようですが、これも日本語のオリジナル版があるのでしょうか?

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