以下のテキストには”ネタバレ”を含んでいます。閲覧にはご注意ください。
- 2007年9月23日
- なんばパークスシネマ
アヴァンタイトルの書き割りっぽい背景(ってゆーか、まんま書き割りやねんけど)や、タイトルバックに乱舞するスキヤキの具を受け容れられるかどうか……で、この映画に対するスタンスはほぼ決定するんじゃないかと思います。
「なんじゃ〜、この映画は!」と怒りに身体を震わせるのか、
「なんじゃ〜、この映画は!」と歓喜に身体を震わせるのか。
えっ、わたし? ……わたしはモチロン後者ですよ。タラ公や香取クンのアホ芝居がもう嬉しくって嬉しくって、わたしの身体は人間センサラウンド方式の如く震えまくっていたのでした。こんな自分が、わたしは大好きです(笑)
さて、この映画、どんな映画なのかってーと……
二つの組織が対立する村にやってきた流れ者が、どっちの組織もぶっつぶしちゃうってお話です。黒澤の『用心棒』や、それをパクったレオーネの『荒野の用心棒』なんかの系譜に連なる映画。そんな『血の収穫』なストーリーをベースに、どこかで見たようなマカロニ・ウエスタンや日活の無国籍アクションなどのいろんな断片がコラージュされていて、その一方では源平合戦やら薔薇戦争やらがぶちこまれてるって、ごった煮映画。砂糖いれすぎの昨今の映画とは一味も二味も違う、白菜の甘味がよく効いたスキヤキ・ムーヴィー。
脇が面白すぎて主人公が目立たないってのは三池映画ではよくあることですが、この作品の伊藤英明さんも影うすかったね。ま、それが逆に「風」のようなガンマンに似合ってたって言えなくもないねんけど。そういう意味じゃ、主人公はフランコ・ネロっていうよりクリント・イーストウッドな感じ。ヴィジュアル的にはジュリアーノ・ジェンマっぽかったりして。もしかしたら「これしかない!」って配役やったんかも。ま、なんにせよ伊藤さんの影が薄かったことに変わりないねんけどね(笑)
その他、思ったことを順不同でアレヤコレヤと。
- 桃井かおり、カッコよすぎ!
- 松重豊もカッコよかった。ってゆーか、この歳になってカッコいい松重さんを見られるなんて思ってもいなかった。長生きはするもんや(笑)
- 塩見三省もカッコよかった。以下、上に同じ。
- 佐藤浩市、美味しすぎ! これからは「ヘンリー」と呼ばせてもらいます。
- 香川照之も美味しかった。あの役は香川さんにしか出来んと思う。
- けど、いちばん美味しい役柄やったんは堺雅人やと思う。
- 伊藤は裸体晒すならもうちょっと身体鍛えるべし。
- 木村佳乃、セクシーさ不足。踊りも今イチ。けど、あの役を引き受けた心意気やヨシ。
- 石橋蓮司や田中要次は最後の方まで出ていてほしかった。
- 最後に平八がつぶやく「LOVE」って言葉で『漂流街』を思いだした。
- タラ公の卓袱台投げは『自虐の詩』の予告を観たあとだったのでインパクト薄かった。
- 伊勢谷、「覚醒」した石橋に迫られるとこはマジで嫌がってたやろ(爆)
- その「覚醒」シーンは、ガンマンと義経の最終決戦の直前に入れた方がよかったように思う。
- 追想シーンが追想シーンとわかりづらいところがあり、ちょっと混乱した。
- ボコボコにされたガンマンの治療に用いられた薬は、もしかしてマジック・マッシュルームか(笑)
- 日本語吹き替え版も観たいぞ。
- サブちゃんの主題歌、カラオケで唄いたい唄いたい唄いたい。