以下のテキストには”ネタバレ”を含んでいます。閲覧にはご注意ください。
- 2004年5月16日
- アポロシネマ
オヤジの恋敵があまりにもひどく描かれすぎてるとの批判もあるようです。けど、それは、オヤジが語る恋愛譚が時系列に作られたと思いこんでるからです。結末が最初に作られ、その結末に合わせてそれ以前の話が作られていったと仮定すれば。……恋敵の描かれ方も納得できるでしょ? 「ウソをつきとおす」ってことは、そーゆーことです。
ひとつのホラ話を成立させるために別のホラ話をでっち上げ、そこからまた別のホラ話が生まれる。そうして増殖していくホラ話が、さらに別系統のホラ話群と結びつき、やがて巨大なホラ話譚へと結実する。
……これは、ひとりのオヤジによる壮大なホラ話が生みだされる過程を描いた映画です。そして、そのホラ話を完結させるのが、そんなオヤジをウザがっていた息子であるところがミソであり、泣かせるところなんですな。
ハッキリ言って、オチは途中で(しかも、かなり早い段階で)読めるんですが、それでも、やっぱり泣いちゃうのは、ティム・バートンの術中にハメられちゃったってことなのでしょーか。
ヘレナ・ボナム・カーターのモスラばりの三段変化も一見の価値あり。若い娘を演じるシーンより、老魔女に扮したシーンの方が違和感ないのが、ちょっとアレですが(笑)